「外国の人たちにもわかりやすい日本語」
●今回の研修について
昨今、文化庁のカリキュラム案に見られるように、日本語ボランティアの役割として日本語を「教える」立場から「地域の隣人として対等の立場でのコミュニケーション」が重視されてきている。そのような中でボランティアが「言語弱者」としての外国の人とどのような配慮をして接するべきなのかを考えることは重要である。
このような視点から「グローバルな日本語」を提唱されている野田尚史教授(国立国語研究所)においでいただき、コミュニケーションにおいて留意すべきことがらについて研修を行いました。
このような視点から「グローバルな日本語」を提唱されている野田尚史教授(国立国語研究所)においでいただき、コミュニケーションにおいて留意すべきことがらについて研修を行いました。
●研修報告
「言語弱者」である外国の人に対し、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つの場面に分け、具体的な事例についてどのようにすれば相手にわかってもらえるか、またどのようにすれば相手の伝えたいことが理解できるかについて、参加者全員で考えながら進行されました。野田講師はあくまでファシリテーターとしてふるまわれ、外国の人にとって「わかりやすい」とはどのようなことなのか、表記の仕方、実物や図や絵による伝え方などを考えながら学ぶことができました。また国による相手への配慮の仕方や文化的な違いについて知ることが不快感やトラブルを避けることにつながるなど、事例を解決する中で参加者が自ら発見し、楽しく体得することができるよう配慮された研修となりました。参加者の反応も非常によく、充実した研修でした。
野田尚史先生 |
日本語を母語としない人たちに わかりやすく日本語で話すには? |
研修会の様子 |
日本語を母語としない人たちに わかりやすく日本語で書くには? |
●参加者の声(アンケートより抜粋)
・楽しくて分かりやすかった。
・先生のお人柄からか、リラックスした雰囲気が良かったです。
・会場内からいろいろな声を引きだしていただき、他の人の意見を聞き、自分でも考えながら、楽しく取り組むことができました。
・少し知っていることが多く、つまり、レベルがもう少し高くても良かった。
・自分で気付かない説明の仕方や考え方があるのに改めて考えさせられました。
・難しいことばでついつい説明しがちだが頭を使い知恵を絞って学習者の方とコミュニケーションする具体的な方法の入り口を教えてもらいました。
・「ことばだけではなく相手に伝えるということをもっといろいろな方法で考えていく」ことの大切さに気づきました。
・様々な国、様々なことば、文化の違い、理解するためには相手を知ることを学びました。
・異国文化や習慣を理解して対応しないと誤解することにつながることがわかりました。
・文化的配慮を思いやって分かり易い日本語の使い方の工夫のヒントを頂きました。
・日本語を母語としない人たちに対して、私たちが接するときにいかに相手にわかりやすくするのか、また国によって、配慮の違いもあるので、考慮しながら活動したいと思いました。
(アンケートへのご協力ありがとうございました!)