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2019年2月17日日曜日

2月 日本語ボランティア研修会報告

「地域日本語教育の可能性を考える ~ことば・交流・場を育てる教室を目指して~」

今回の研修会では、まず、「地域日本語教育」をどのようにとらえるかについて考え、それがどのように確立し展開してきたか、現状はどうなっているのか、社会的な動きと連動した歴史的な流れや国の施策、学会の動きなどについて説明されました。それを踏まえて、地域日本語教育の現場や当事者に焦点を当てると、日本語ボランティア依存の現状があり、日本語コーディネーターとの協働、多様な参加者と多様な形態があることの難しさなどが課題として見えてきました。その中で、活動の方法については、どれが正しいというものはなく、うまく共存させることが必要であり、参加者が何のためにどんな日本語が必要かを考えることが大切であるということが分かりました。さらに、学習者が自分のことを伝える喜びが日本語の力を伸ばし、単にことばを覚えるということだけではなく、その先の人と関わりやコミュニケーションにつながっていくことが重要だということを学びました。  
このような考え方に基づいて、対話を通した学び合いの活動として、2つのワークショップを実際に体験しました。特に、アイスブレークとして行ったワークは、大変盛り上がり、参加者同士がとても打ち解けて話すことができ、楽しさを実感することができました。
これらのワークを通して、「対話のしかけ」としてとても効果的であることがわかり、今後の活動に役立てたいという意見が多くありました。
また、実際の日本語教室の紹介では、悩みの事例、スタッフ間の意識のズレのすり合わせの必要性、「日本語を教える」ことだけに特化しない運営や活動の方法など、共感する部分もあり、実際の映像を見ることによって具体的に知ることができました。
 最後に、日本語教育の本質は目的のための下請けではなく、自分のことを話すための日本語の習得であり、人を育てるものであると言われたことがとても印象に残りました。            
今回の研修では、様々な方々にご協力とご関心をいただき、日本語教育の知識や経験の有無を問わず、幅広い方々が集まられ、共に学べたことは大変有意義でした。


<研修会の様子>